コールゴム(組みゴム)とは

 

コールゴム(elastic braid)は、製紐機によって、天然ゴム糸やポリウレタン弾性糸を何本か並べて、その間を、組糸が、数字の「8」の字が縦に連続して繋がった形のループを描くように移動して組み上げて作られる、平断面のゴム紐平ゴム)です。

一般的に、厚みが薄く、幅の細いものが多いので、シャーリングテープshirring tape:洋裁で,細かいギャザーを寄せて模様や変化を出すこと)としての用途で多く使用されます。

コールゴムサンプル拡大画像

上の画像は、コールゴム組みゴム)のサンプルの拡大画像です。表面に経方向の凹凸のある筋があるのが特徴です。

 

ゴム紐(ゴムひも)分類表のコールゴム

上の画像は、ゴム紐ゴムひも)分類表です。この中の③のオレンジ色の部分がコールゴムです。

 

ゴム紐ゴムひもが一番の大集合です。

その中に、平ゴムが含まれ、平ゴムの中に、コールゴムが含まれます。

 

まとめて、説明すると、

ゴム紐(ゴムひも) ⊇ 平ゴム ⊇ コールゴム

となります。

これを、集合の説明図で描くと、以下のようになります。

ゴム紐、平ゴム、織ゴムの集合図

 

組糸を巻いた管の動きのループがグルグルと(無限ループで)完全に円を描くように組糸がずっと回り続けると、丸ゴムや筒状の組紐(袋ひも・アクリルカラーコード等)になりますが、コールゴム専用の製紐機で、先端部で往復運動を繰り返すと、平断面のコールゴム平ゴム)となり、ゴム糸が入っていない場合は、綾竹のような組テープまたはスピンテープとなります。

上の動画は、製紐機コールゴムを生産している時の映像です。

表面は、平らで、一般的には、組糸の太さより、ゴム糸などの弾性糸の方が太いので、ゴム糸(弾性糸)の筋が経方向に走ります。ゴム糸の方が太い場合は、凸部分がゴム糸となります。(凸凹した溝と山が縦に連続的に入っているような感じです。)

第1の特徴は、コールゴムは、(定番品で比較すると)織ゴムや編ゴムに比べると、一般的に、厚みが薄いです。(コールゴム→約0.8ミリ、織ゴム、編ゴム→約1.3ミリ以上)

第2の特徴は、また、織ゴムや、編ゴムの場合は、経糸と緯糸の両方で、織ったり、編んだりして製品が出来上がりますが、コールゴム組みゴム)の場合は、管に巻いた組糸の1種類のみにて製作します。組糸は、斜め方向にジグザグに「w」の文字の繰り返しの模様を描くように走ります。斜めに走る糸のみで、テープ状のコールゴムを作り上げるので、コールゴムの最大の特徴は、思い切り全伸長で引っ張ると、当初の幅よりはるかに狭くなります。(約半分程度の幅になります)

第3の特徴は、ゴム糸に巻糸をせず、そのまま生産する場合が多い(ポリウレタン弾性糸を使用する場合、ごく稀にDCYを使用する場合があります)ので、一般的に、伸びが大きいことです。織ゴムや編ゴムの一般的な全伸長は、最大で約2.5倍くらいですが、コールゴムは、全伸長が、3倍、3.5倍の製品も作ることができます。(約4倍の全伸長の製品を作ることも可能です。)

第4の特徴としては、通常の製品としては、約3ミリから約10ミリ程度までと、幅の狭くて、厚みの薄い製品が多いことです。

第5の特徴としては、織ゴムや編ゴムに比べると、生産ロットが小さくても作ることが可能です。準備工程段階で整経という工程が必要ないので、組糸の本数分だけ管を巻けばいいのです。(染色がある場合は、染色ロットが発生するので少量生産が難しい場合もありますが)別注で生産する場合に最も、小ロットでの生産対応が可能なのは、コールゴムです。

第6の特徴としては、昔ながらの生産機械が革新されず、そのまま使われているので、生産スピードが非常に遅いです。一般的な定番品で比較すると、織ゴムや編ゴムは、回転数が、1分間に、1,000回転以上の革新機械が製作されたので、1時間に15m~30m生産することが可能です。一方、コールゴムは、1分間に、80~100回転程度なので、1時間に2~3m生産します。納期を早めるためには、掛け台数を増やすしか方法がないのです。

第7の特徴としては、4コール(ゴム糸本数が4本)ならば、4コールのコールゴムしか作ることができない。ということです。10コールの機械で、4コールのコールゴムは作れない。ということで、専用機となっているのです。織ゴムや編ゴムの場合は、ある程度、幅を狭くしたり広くしたりする汎用性があるのです。

また、コールゴムに関してよくある質問としては、例えば、「4コールのコールゴムの幅は何ミリですか?」というような話です。この場合、組み糸とゴム糸の選択によって幅は変わってしまうということです。同じ4コールであっても細い糸とゴムの場合は、約3ミリ幅ですが、非常に太い糸とゴム糸の場合、約15ミリ幅ということもあるのです。

用途としては、衣料用で、カジュアルウエアやスポーツウエアの袖口や裾に使われる場合が多いです。カラーの製品は、医療用(マスクゴム)や包装資材用(ラッピングゴム)として使用されます。

輸出の場合に書類に書く必要があるので、コールゴムの英語表記について、一般的な英文名を掲載します。

8コール ポリエステル/天然ゴム:Polyester Elastic Braid 8cord 

10コール レーヨン/ポリウレタン:Rayon And Polyurethane Elastic Braid 10cord

以上のような英単語を使うので、コールゴムの語源の「コール」は、元々は、「コード」であったのではないか?と推測されます。(当初は、「コード」と発音していたものが、時代の変化または、訛って、あるいは、言いやすいから、聞こえたから、「コール」という呼び方に変わっていったのではないでしょうか?)

ただし、現在、石川県かほく市の製造業者は、「コードゴム」と言われると全く別のゴムを想像してしまいます。製紐機で製作した丸断面の丸ゴムで伸びが2倍以下で非常にパワーの強いゴムのことを呼んでいます。(用途としては、観光バスや列車の座席の後ろのネット部分の上部に付いています。また、キャリーラックなどの荷物の固定用など。)

コールゴムにも、いろんな種類コールゴムがあります。以下に紹介いたします。

石川県かほく市のゴム紐の生産地の業者の間では、その生産機械(製紐機)の音から、製紐機を使用して、コールゴムや丸ゴム、組紐を生産する業者さんのことを「ジャンジャン」とか、「ジャージャー」と呼ぶ場合があります。製紐の工場では、製紐機を300台~1,000台くらい並べるので、大きな音と摩擦熱による温度上昇があります。(上部のユーチューブ動画を観ていただくと音の大きさが分かっていただけると思います)

 

 

ラテソフトゴム(コールゴムソフト)

ラテソフトゴムコールゴムソフトは、ポリエステル糸天然ゴム糸を、組んでで製作した、最も一般的で、厚みが薄くて、伸びのある、ソフトパワータイプのコールゴムです。サイズ展開は、約3.3ミリ、4.9ミリ、6.2ミリ、7.7ミリ、9.1ミリ幅で、用途は、ベビー・子供服や、カジュアルなウエアやスポーツウエアなどの普通の洋服の(袖口や裾部分)に用いられることが多いです。カラー展開は、生成と黒色の2色です。特徴としては、もっとも、一般的な平ゴムで、コスト的にも優位性のあるゴム紐です。

(注)ラテソフトゴムの「ラテ」とは、芯ゴム(弾性糸)にラテックス(latex・天然ゴム:本来の意味は、ゴムの木から出る樹液のことです)を使用していることを意味します。ポリウレタン弾性糸を使用している場合は、ポリウレタンカラー平ゴムとなります。

 

ラテハードゴム(コールゴムハード)

ラテハードゴムコールゴムハードは、ポリエステル糸(スパン糸)天然ゴム糸を、組んでで製作した、最も一般的で、厚みが薄くて、伸びのある、ハードパワータイプのコールゴム平ゴム)です。サイズ展開は、約3.5ミリ、5.0ミリ、7.0ミリ、9.0ミリ、11.0ミリ幅で、用途は、カジュアルなウエアやスポーツウエアなどの普通の洋服の(袖口や裾部分)に用いられることが多いです。カラー展開は、生成のみです。特徴としては、もっとも、(パワーが強めの)一般的な平ゴムで、コスト的にも優位性のあるゴム紐です。

 

ポリウレタンコールゴム

ポリウレタンコールゴムは、製紐機によって、生産されるコールゴムの1種で、芯ゴムにポリウレタン弾性糸を使用します。特徴としては、天然ゴム糸に比べて、ポリウレタン弾性糸は、一般的に耐候性があり、また、ドライクリーニング対応です。したがって、高級な洋服の袖口や裾に使用されることが多いです。伸びや、パワーによって、設定伸度と組糸の素材が変わります。(ハードタイプとソフトタイプの2種類あります。)また、マルチフィラメントのポリウレタン弾性糸を使用していますので、ミシンで何度か縫ってもゴム糸切れの心配はありません。伸びや、パワーによって、設定伸度と組糸の素材が変わります。サイズ展開は、4コール、6コール、8コール、10コール、12コールの5サイズです。(コールというのは、ゴム糸の本数です。)カラー展開は、ハードタイプは、晒色と黒色。ソフトタイプは、生成色と黒色のそれぞれ2カラーです。

 

ラテカラー平ゴム(カラーコールゴム)

ラテカラー平ゴムカラーコールゴムは、先染めのポリエステル糸天然ゴム糸を、組んでで製作した、最も一般的で、厚みが薄くて、伸びのある、カラー展開が豊富なコールゴム平ゴム)です。サイズ展開は、約6.0ミリ、8.0ミリ幅で、用途は、極薄の生地や透けて見えるような生地を使用したウエア(洋服)の(袖口や裾部分等)、さらに、ロゴや絵柄のプリント加工等を施して、自動ミシンにてリング加工して、ラッピングバンド包装資材用)や見分けバンド等に用いられることが多いです。カラー展開は、今のところ、赤、青、黄、緑色の4色展開です。(徐々に売れてきたら、将来的には、ピンク、オレンジ、紺色、紫色などを定番色として追加していく予定です。幅に関しましても、好評であれば、さらに、10ミリ、12ミリ、15ミリ幅と増やしていきたいです。ロットが大きい場合は、別注にてお好みの色・サイズでの生産が可能です。ご相談ください。)特徴としては、弾性糸に天然ゴム糸を使用しているので、ポリウレタン弾性糸使用の製品に比べると、素材コストも安価です。また、ポリウレタン弾性糸使用の製品の場合は、精練・熱仕上げという2工程が必要ですが、ラテカラー平ゴムには、その必要がないので、相対的に安価な価格での提供が可能です。カラー展開をしている平ゴムの中では、幅も狭いので、コスト的にも非常に優位性のあるゴム紐です。

 

青金ラメコールゴム・銀ラメコールゴム

青金ラメコールゴム銀ラメコールゴムは、製紐機にて天然ゴム糸に、スリットして糸状にした(青金色や銀色の)ラメフィルムを組んで製作したコールゴム(平ゴム)です。ラメフィルムは、ポリエステル等のフィルムにアルミニウム真空蒸着してあるので、まるで、金属であるかのような(メタリックの)見た目と風合いです。用途としては、伸びが、約2.2倍と大きく、メタリックの風合いなので、自動ミシンにて、リング加工をしてラッピングバンドにしたり、結んでラッピング(包装資材)として使用されることが多いです。

 

ラテ幅広コールゴム(16C)

ラテ幅広コールゴム16Cは、ポリエステル糸天然ゴム糸を、組んでで製作した、最も一般的で、厚みが薄くて、伸びのある、ハードパワータイプ(強力)の定番品の中では最も幅広のコールゴム平ゴム)です。サイズ展開は、約14.0ミリ幅の1サイズで、用途は、カジュアルなウエアやスポーツウエアなどの普通の洋服の(袖口や裾部分)に用いられることが多いです。カラー展開は、生成・黒色の2色展開です。

 

 

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