カバーリング機・カバーリング工程についてゴム紐の専門家が説明します

カバーリング機・カバーリング製造工程についての紹介です

カバーリング機は、弾性糸や芯糸に、糸をらせん状に巻いて、主に、横巻ゴム丸ゴム)丸紐などのゴム紐(ゴムひも)を製造する機械です。

カバーリング機での生産・加工の仕組み図

上の画像は、カバーリング機でのゴム紐ゴムひも)生産・加工の仕組図(製造工程)です。

カバーリング機を英語表記すると

カバーリング機の英語表記は、covering machine となります。

カバード糸は、covered yarn となります。

撚糸機(ねんしき)は、twisting machine です。

カバーリングの目的・意味は?

織ゴムなどの平ゴムの場合、天然ゴム糸やポリウレタン弾性糸をベア(裸)で使用して生産すると、出来上がった製品は切り口からゴム糸が生地の中に入り込むという現象を起こす場合があります。

これをスリップイン(Slip-in)と言います。

スリップインの原因は、中のゴム糸が短く、少し引っ張られた状態のまま織ゴムの中に入っているからです。

ゴム糸が中に入り込んでしまうとその部分はゴム糸のない生地となり入り込んだ部分はゴム糸が長くなってしまいジグザグにミミズが這ったようになってしまい使えません。

スリップインを防ぐ目的でゴム糸のグリップ力を増すために、カバーリングをしています。

カバーリングのことを短くして「カバリング」と呼ぶ方もいます。

①DCY(ダブルカバードヤーン)の場合

DCYDouble covered yarn:ダブルカバードヤーン)の場合は、糸を、右撚り(下段)と左撚り(上段)の二重に巻きあげます。

そのため、ボビンの色を2種類(赤と緑)にして、巻方向も逆に巻き上げます。

先ずは、カバード糸ワインダー機でボビンに巻きあげます。上糸は赤色のボビンに、下糸は緑色のボビンに巻きあげます。

(ボビンで色分けするのは、見分けるためです。逆方向に設置するとすぐに糸切れしてしまい、カバーリングができません。)

ワインダー

上の画像の場合は、ポリエステル糸をボビンに巻き上げています。

カバーリング機1

カバーリング機です。

下段には右撚りの糸のボビン(下糸)を、上段には左撚りの糸のボビン(上糸)をセットします。

カバーリング機2

カバーリング終了後の画像です。

最上部の(円柱形の筒状の)紙管にDCYが巻き上げられました。

このDCYは、織ゴムや編ゴムの原材料として使用されます。先染めの糸を使用する場合、エクステンション用のDCYやマスクゴム・ラッピング用の丸ゴム(DCY)として使用されます。(太さもいろいろあります)

上の画像のDCYは、天然ゴム糸を芯にして、ポリエステル糸を2重に巻き上げています。このDCYは、ゴム紐の材料として使用されます。

上の動画は、DCYを製造している様子です。

②SCY(シングルカバードヤーン)の場合

SCY(Single covered yarn:シングルカバードヤーン)の場合、巻糸は一重です。

この動画は、黄色のレーヨン糸を芯にして、金色に着色したアルミ蒸着のポリエステルフィルムを巻き付けています。

(芯糸がレーヨン糸なので、出来上がったSCYは伸びるものではありません)

真空蒸気セット機

シリンダーに巻き上げたSCYは、片方向に撚りが掛かっていて、ビリ(撚り戻り)が入るので、真空熱セット機にて、真空ポンプで空気を抜いて、管内の気圧を下げた後に、高温の蒸気で(撚りが戻らないように)熱収縮をさせることで撚り止めをします。

上の動画は、出来上がったSCYを(円錐形状の)紙管やプラスチック管にコーン巻しています。

P-1130(コーン巻)

紙管にコーン巻するとこんな感じになります。

カバーリング糸について

カバーリングに使用する巻糸をカバーリング糸と言います。

一般的には、衣料用の織ゴムの原材料の弾性糸に使用する場合は、ポリエステル糸を使用します。

パンティストッキングやマスクゴムの原材料に使用する細番の場合は、細番のナイロン糸を使用する場合が多いです。

また、スリップインを防ぐためグリップ力を増加させる目的の場合は、スフ糸やポリエステルスパン糸等の短繊維の糸を使用します。

基本的には、織ゴムや編ゴムの経糸や緯糸の素材に合わせて、衣料用の場合は、ポリエステル糸やナイロン糸を使用する事が多いです。

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    この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。