平ゴム、丸ゴムの等のゴム紐の仕立形状(したてけいじょう)
平ゴムや丸ゴムなどのゴム紐は、お客様の要望により、ボビンに巻いたり、円盤状に巻いたりします。
ここでは、仕立形状について画像も掲載して、分かりやすく説明します。
幅の違いによって、また、使いやすさやコストを安くするために、または、すぐに縫製加工できるようになどの理由により様々な形状があります。
主な形状として、レコード巻、ボビン巻、カセ巻、フェストン仕上の4つがあります。
その他として、紙製の板に巻く板巻と、紙製の管(紙管)に巻くコーン巻、チーズ巻(ライクラチューブ巻)があります。
お客様からのご要望によっては、ご希望の一定長にハサミカットをしたり、さらにホツレ防止のために超音波カット、ヒートカットをする場合もあります。
レコード巻
平ゴムで、幅が15ミリ以上である程度の固さのあるものは、巻芯(発泡スチロール製:略して発泡芯といいます)に巻きます。
平ゴムの厚みによって規格は違いますが、通常は、30m巻で仕上げます。
厚みの薄い場合は、50m巻にします。(極薄織ゴムや極薄編ゴムなど)
厚みのあるものは、25m巻で仕上げます。(伸びるB面ファスナーなど)
端部はプラスチック製のクリップで留めます。
その昔から、私たちゴム紐製造業者は、回転させながら円盤状に巻いているので、これをレコード巻と呼んでいます。(決してCD巻とは言いません。)
メーカーさんによって、違いますが、1巻ごとにシュリンクパックしたり、段ボールケースの高さに合わせて何巻かそろえて袋詰めすることが多いです。
上の画像は、ポリウレタン織ゴム30ミリ幅生成色のレコード巻の10巻パックです。
ボビン巻
上の画像は、ポリウレタンコールゴム黒色のボビン巻です。
上の画像は、エステル1本丸ゴムのボビン巻です。
1ミリ~4ミリ程度の幅の細い丸ゴム・組紐や、3ミリ~15ミリ程度のコールゴム、織ゴム、編ゴムなどの平ゴムは、直径1センチ程度の紙管の両サイドに紙製の鍔(つば:スプール)を貼り付けたボビンに巻きます。
これをボビン巻といいます。
仕立長は、太さや幅によってかわりますが、100m巻、150m巻、200m巻、300m巻あたりで巻くことが多いです。
紙管の長さは一定で、スプールの直径を替えます。
巻くときは、綾を振りながらきれいに列をなすようにして巻き上げます。
カセ巻(綛巻)
上の画像は、細幅の編ゴムを黒色に染色したもののカセ巻(綛巻)です。
生糸や毛糸、細幅の丸ゴムや編ゴム、コールゴムなどは、カセ枠(桛枠)に巻いて、カセ巻にして梱包運搬します。
ボビンや巻芯等の付属品も要らず、形状も崩れにくく、重量も軽く運搬しやすく取り扱いしやすいからだと思います。
糸の場合は、非常に細いので、切れた時に糸口が分かりやすいように綾を振ってカセを巻き上げます。
後染めの細幅の平ゴムの場合も、扱いやすいなどの理由から、カセ巻にして染色することが多いです。
高熱がかかり収縮するので縮みやすくするため、染料がムラなく付くようになどの理由が考えられます。
カセ巻するときは、綾を振りながら巻いていきます。
そして何か所かを紐で縛ります。
万が一切れてもきれいに解けるようにしてあります。
カセ巻で仕上げるのは、丸ゴムやコールゴムが多いです。
カセ巻は、ゴム紐に応力が掛かっていないので、放反の必要がなくそのまま次の加工が可能です。
フェストン仕上(折り畳み、流し込み)
上の画像は、20ミリ幅の織ゴムをフェストン仕上(折り畳み)したものです。
上の画像は、流し込んだフェストン仕上の1例です。(板巻加工用に自動カットするため用です。)
縫製工場で、平ゴムを大量に縫製加工する場合は、フェストン仕上げをしたものを使用します。
20ミリ以上の幅の広いものは、折り目が付かないようにしっかりと折り畳んで加工します。
数ミリから15ミリ程度の細幅の平ゴムの場合は、綾を振りながら流し込んで、折れ目がつかないようにあまり押さえつけずに箱詰めします。
フェストン仕上は、レコード巻やボビン巻のように、巻く時に応力を掛けていないので、平ゴムはフリーの状態でしっかりと縮んでいるので、開封してすぐに縫製加工することが可能です。
また切れ目がない限り、連続で箱に入れることができるので、効率が良く、ロスも少なくて済みます。
板巻
上の画像は、板巻機です。(手巻き)
板巻は、1ミリ~15ミリ程度の細幅の丸ゴムやコールゴム等を紙の板に巻いたものです。
手芸店やホームセンターや量販店の手芸コーナー、100円ショップなどで、ヘッダー付の袋に入っていて金属製の棒に穴を通してディスプレイして販売しているものです。
幅によって、4m、5m、8m、10m、30mなどと販売業者さんによって仕立長の規格はばらばらです。
また、紙の板の幅や長さも様々あります。
ハサミカット
上の画像は、レーヨンカラー丸ゴムのハサミカットです。
ハサミカットは、お客様の要望により、丸ゴムや平ゴムをハサミで一定長にカットしたものです。
大量注文の場合、細幅の丸ゴムや平ゴムは、カセ輪に少し余尺を持たせて倍数分の長さに巻き、両端を縛ってハサミでカットして仕上げます。
平ゴムの場合は、自動カット機を使用する場合が多いです。
カットは、その他に、ヒートカットや超音波カットがあります。
ヒートカットは、電熱の刃の熱で切ります。
超音波カットは、超音波の振動で熱せられた刃で切ります。
ヒートカットの場合は、切り口の先端部に焦げ目が付きます。
ヒートカットや超音波カットできるのは、熱で溶融する化学繊維(熱可塑性の化学繊維)です。
熱で溶かしてカットするので、糸のホツレ防止となりますが、化学繊維が溶けてその後固まるので、先端部はプラスチック樹脂のように少し硬くなります。
コットンやレーヨンなどの繊維は、熱で溶けないのでヒートカット・超音波カットができません。
カットの場合、さらに結び加工もしてほしい。
印刷タグを送るので丸ゴムに通して結んで欲しいなどのご要望をいただくことがあります。
結び加工
上の画像は、丸ゴムの結び加工(合わせ結び)です。
印刷タグは後から通すタイプです。
各種カット加工をした後に、結び加工をする場合があります。
お客様からの要望に応じて、様々なタイプの結び加工をします。
結んで輪にしてあるので、お客様のお店などでは、製品や商品に掛けるだけとなり簡単で便利です。
コーン巻
上の画像は、エクステ用の丸ゴムのコーン巻です。
コーン巻は(私が思うに)その名の如く、コーン(corn)トウモロコシの形のような円錐の上部を切り取ったような紙管(コーン)に、0.5ミリ~1ミリ程度の糸や丸ゴムを巻いたものです。
専用の巻上機で綾を振りながら巻きます。
多少緩く巻いても、綾が落ちて作業性が悪くならないように考えられています。
チーズ巻・(ライクラ)チューブ巻
上の画像は、カバーリングタイプの丸ゴムの(ライクラ)チューブ巻です。
(ライクラ)チューブ巻は、ライクラやロイカ等のポリウレタン弾性糸を巻いてあった紙管に巻き上げたものです。
ゴム紐結束機に、この仕立形状が利用されているので、専用のゴム紐はこの形で巻きます。
どちらかというと特殊な形状です。
平ゴムのリング加工
上の画像は、平ゴムのリング加工の梱包したものの1例です。
(幅や円周によって違いますが)リング加工を50本または、100本で結んで、ビニル袋に入れます。
リング加工はこのような仕立形状にて発送いたします。
上の画像は、リング加工のサンプルです。(4点千鳥縫い耳なし)
まとめ
コストを安くするためには、フェストン加工やカセ巻をおすすめします。(ボビン代金や巻加工賃等が発生しません)
そして、その方が、応力が掛かっていないので、そのまますぐに加工ができます。
コンパクトで大量に運搬したい場合は、ボビン巻やレコード巻をおすすめします。
こちらは、ボビン代金や巻加工賃がある程度掛かります。
また、巻応力が掛かっているので、縮みを少なくするため、1昼夜放反をおすすめします。
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この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。
越野勤(こしのつとむ)は、石川県かほく市にある1935年創業で88年の歴史のゴム紐製造販売の有限会社津田産業直販部(かほく支店)の営業部長・問合せ担当で、サイト運営者・著者・ゴム紐の権威、専門家・ゴムプロ:gomuproです。
年齢は66才です。(2024年現在)
1980年に信州大学繊維学部繊維工学科卒業で、大学時代の4年間は、糸や繊維、ゴム紐、織物・編物・製紐・染色・プリントの勉強をしました。広幅織物製造工場で、撚糸、整経、製織等。細幅織ゴム、編ゴム製造工場でカバーリング、生産、染色、品質管理、生産管理、在庫管理の作業等。製紐工場で製紐を学び、営業、インターネット販売をするなど、約55年間ずっと、繊維業界で企画・製造・販売・マーケティング(販促)の仕事を経験してきました。
現在、㈲津田産業直販部でゴム紐の企画、製造販売、マーケティングを担当しています。(約5年間)
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