長繊維の糸の太さ（dtexまたはT）や長さ（ｍ）を計算式で算出する方法を説明します

デシテックス（dtex または、T）とは？

dtex（デシテックス）は、シルク（生糸・絹）や合成繊維などの長繊維の繊維や糸の太さ（繊度）を表すSI単位（国際単位系）です。

dtex（デシテックス）は、恒長式番手（こうちょうしきばんて）の１つで、一定の長さに対する重さから決められています。

長さが常に一定であることから、恒長式番手というのです。

長さ1,000mで重量が1gある糸の太さを、1tex（テックス）といい、その数字が大きいほど太くなります。

dtex（デシテックス）は、その1/10です。

ということは、

dtex（デシテックス）の定義は？

長さ10,000mで、重量が100gある糸の太さを、100dtex（デシテックス）といい、数字が大きいほど太くなります。

長さ10,000mで、重量がTｇある糸の太さを、Tdtex（デシテックス）と言います。

denier（デニール）の定義は？

以前は、デニール（denier）という単位を使用していましたが、

長さ9,000mで、重量がTｇある糸の太さを、Tdenier（デニール）と言います。

デシテックスとデニールの関係を数式等で表すと、

例えば、

75デニール　＝　84デシテックス

150デニール　＝　167デシテックス

300デニール　＝　333デシテックス

デニールとデシテックスの換算式（変換式）は？

N　デニール　＝　N　ｘ　1.11　デシテックス

となります。

デシテックス数に、1.11を掛ければ、デニール数となります。

逆に、デニール数を、1.11で割れば、デシテックス数となります。

デニールとテックスの換算式（変換式）は？

N　デニール　＝　N　ｘ　0.111　テックス

デシテックスとデニールの関係は？

デシテックス　÷　デニール　＝　10　÷　9　＝1.111111

となります。

1デニール　＝　1デシテックス　×　1.11　＝　1.11デシテックス

デシテックスと綿番手の関係は？

Nデシテックス　＝　5905.4　÷　綿番手

綿糸40番手は、147.6デシテックスです。

となります。

（注）「デシ」（deci）とは？

単位の 10^-1 倍 （10分の1）を表わすSI接頭語です。

記号は、「d 」です。

たとえば 1dl（デシリットル）＝0.1l です。

「デシ」は、ラテン語のデケム （10）に由来します。

デシテックスの正式な表記は、dtexですが、一般表記（簡便表記）としてTが使用されています。

デシテックスの正式な表記は、dtexですが、ゴム紐製造業界で、衣料用のレギュラー糸の箱の表記では、Tと書く場合が多いです。

（例）167デシテックス　→　167T
333デシテックス　→　333T

（1）糸の太さ（デシテックス）と重さが分かっていて長さが分からない場合（長繊維）

（どのくらいの糸の長さ（糸長）があるのか？を計算で求める）

計算式で糸の長さを算出することが可能です。

以下に計算方法（求め方）を掲載します。

（それぞれの単位には、注意してください。）

糸の太さ　T　（デシテックス：dtex）

糸の重量　W　（グラム：ｇ）

糸の長さ　L　　（メートル：ｍ）

とします。

　L　＝　（10,000　×　W）　/ 　T

の計算式となります。

例として、167dtexの太さで、100ｇの重量がある場合、

L　＝　（10,000　ｘ　100）　/　167　＝　5,988ｍ

となり、約6,000mあることになります。

但し、実際の使用の場合は、90%程度と思った方が良いと思います。

（糸の太さにはメーカーによってばらつきがあることと、ロスが生じること等を考慮しましょう。）

（2）糸の重さと長さが分かっていて太さ（デシテックス）が分からない場合（長繊維）

（どのくらいの糸の太さ（デシテックス）なのか？を計算で求める）

計算式で糸の太さを算出することが可能です。

（それぞれの単位には注意してください。）

糸の太さ　T　（デシテックス：dtex）

糸の重量　W　（グラム：ｇ）

糸の長さ　L　　（メートル：ｍ）

とします。

　T　＝　（10,000　ｘ　W）　/　L

の計算式となります。

例として、6,000mの長さで、100ｇの重量がある場合、

T　＝　（10,000　ｘ　100）　/　6,000　＝　166.66dtex

となり、167dtexだと推定できます。

まとめ

糸の長さL（ｍ）が分からない時は、太さT（dtex）と重量W（ｇ）を調べて計算します。

L　＝　（10,000　×　W）　/ 　T

糸の太さT（dtex）が分からない時は、長さL（ｍ）と重量（ｇ）を計測して計算します。

T　＝　（10,000　ｘ　W）　/　L

デシテックス計算のことなら、㈲津田産業のサイトのこのページをみてください

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モノフィラメントで太番手の糸の場合は、硬いので、ノギスやシックネスゲージで直径をmm（ミリ）単位で測定することが可能です。

同じデシテックス数の太さであっても、繊維素材の密度や比重の違いで、見た目の太さは違ってきます。

デシテックス(dtex）という単位は、重量（ｇ）と長さ（ｍ）の関係なので、繊維素材の違いによって密度（比重）が違う場合は、糸の太さ（断面積）は、変わってきます。

例：

PP（ポリプロピレン）の比重は、0.9

PET（ポリエステル）の比重は、1.38

1.38　÷　0.9　＝　約1.53倍

そのため、PPの見た目の太さは、PETの約1.53倍太いです。（直径での比較）

断面積で計算すると、2乗倍となるので、約2.34倍太いです。（面積での比較）

 

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この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。