ゴム紐(ゴムひも)の製品規格や仕様・物性について
ゴム紐は、繊維製品の生地などとは違って、伸縮する(伸びる)ものなので、伸びない製品と違い、物性や耐久性などいろんな性能について説明する必要がありますし、お客様より説明を求められます。
当社では、製造部門にて、ゴム紐(ゴムひも)の製品規格や物性について、以下の項目について測定・記録・管理等をしています。
(1)幅
単位は、mm(ミリメートル)
mm単位で最小目盛の十分の一(0.1mm単位)まで測定する。(定規を使用)
(2)厚み(平ゴムの場合)
単位は、mm(ミリメートル)
mm単位で最小目盛の十分の一(0.01mm単位)まで測定する。
(0.01mm単位:厚みは、ノギスではなく、ダイヤルシックネスゲージにて測定する。)
上の画像は、ダイヤルシックネスゲージの写真です。
百分の1ミリ単位で測定します。
(3)伸度(全伸長率)
単位は、「倍」
10cmの印間長のゴム紐が、引っ張って30cmになった場合、3.0倍となります。
(30cm ÷ 10cm = 3.0倍)
伸度測定の場合、1度でも思い切り引っ張った場合は、(歪みを取るために)24時間(1昼夜)放反(フリーにする)した後に測定します。
(目を閉じて、軽く1度だけ引っ張って、その印間長を測定してください。)
(4)目付
単位は、g/m
(1m当たりの重量(g数)で表します。)
(5)ゴム糸(弾性糸)の入り率
単位は、%
(弾性糸を使用した製品の場合、10cmのゴム紐を分解して、その中に、9.5cmのベアの弾性糸である場合は、95%の入り率となります。
一般的に入り率の大きい製品の方が耐久性がよく、スリップイン(ゴム紐を破断した時に、弾性糸が切り口から中へ入り込む状態)をすることもありません)
(6)100%伸張時の伸張荷重
単位は、gf (g重)
(公式データでは、ISO単位の、N(ニュートン)を使用します)
正式に測定する時は、テンシロン(TENSILON:引張・圧縮万能試験機)を使用して測定します。
通常は、簡便法として、バネばかりを使用して、10cmの印間長のものが、20cmになったときの荷重(応力)⇒100%伸張時荷重、モジュラス(MODULUS)ともいいます。)を使用しています。
上の画像は、バネばかりです。
(簡便法で伸長荷重(gfや、kgf)を測定する時に使用します)
(7)使用している糸や弾性糸の規格や太さと本数
使用している経糸、緯糸、カバード糸や弾性糸の素材や太さと本数を記録します。
一例としては、
経糸 :ポリエステル 167T-48F-2HI 60本 生成
緯糸 :ポリエステル 78T-36F-1H 1本 生成
カバード糸:ポリエステル 167T-48F-1H 1/1 生成
弾性糸 :ポリウレタン 1240T 15本 ダル
などとなります。
T:dtex(デシテックス)
F:フィラメント数
H:ヒーター(仮撚機で1段ヒーター(1H)か、2段ヒーター(2H)かを表します。
I:インターレース有り
1/1:カバーリングでダブルカバーリングの場合、上糸本数/下糸本数を表します。
撚糸した糸の場合
インターレース糸ではなくて、撚糸した糸の場合は、
撚り数を表示します。
撚り数の単位 : T/m (twists per meter): 1メートルあたりの撚り回数
撚糸した糸の分類
甘撚り: 500T/m以下
中撚り: 500~1000T/m
強撚: 1000~2500T/m
極強撚: 2500T/m以上
甘撚りの場合は、そのまま使用しますが、中撚り以上の撚り数の場合、解舒すると撚りによって絡まってビリが出来てしまい作業できないので、真空蒸気セット等で高温で撚り止めをします。
(8)カラー
カラーについては、外側の見える部分=糸の色を指します。
リピート生産のときに、カラーが分かるように色番号を付ける場合があります。
また、色確認用のカラーサンプルとして、初回生産時の切片を貼り付けて保管することもあります。
先染め糸や原着糸の場合は問題ありませんが、後染めの場合は、染色堅牢度が何級なのか?のチェックもしておきましょう。
(9)混率(重量%)
単位は、%
(素材ごとに分解して重量の割合を測定・計算・表示します)
例としては、
ポリエステル 88%
ポリウレタン 12%
(尚、天然ゴム糸は繊維ではないので、品質表示の場合、混率に、記載の義務はありません。→記載しない場合もあります)
上の画像は、石川県ゴム入り織物工業協同組合にある精密はかり(最小目盛0.001g)です。
精密はかりを使用して、10cmの平ゴムの重量を分解・測定して、目付(g/m)から、製造原価の1つである材料費を計算したり、糸や弾性糸の混率(重量パーセント)を計算します。
画像の精密はかりは、最小単位1mg(千分の一グラム)まで測定可能です。
(10)生産スピード(1時間あたりの生産量)
単位は、m/時
(1時間当たりの生産量⇒月間生産量や納期の算出時に使います)
1~6 の規格データについては、当社では、定期的に抜き取り検査をしています。
その他、繊維素材・弾性糸の規格・メーカー名、生産機械のギア設定、回転数(r.p.m)、カラー(染色の場合の色見本やレサイプ等)、織組織(組織図やチェーンの組み方)製品見本なども記録・管理します。
その他、織ゴム・編ゴムの場合、経糸・緯糸・DCY(ダブルカバードヤーン)またコールゴム・丸ゴムの場合は、組糸・芯ゴム)それぞれの、繊維素材、糸・ゴム糸太さ、メーカー名、本数、カラーNo.、フィラメント数、撚り数・撚り方向、インタレス等の規格情報も記録します。
SSカーブ・SS曲線(応力-ひずみ曲線・強伸度曲線)、引張切断強度、耐久性(セシール法等)、染色堅牢度、難燃、抗菌(制菌)、防臭、消臭、残留ホルマリン、熱収縮率(寸法変化率)等の試験については、(お客様から求められた場合に)必要な時に公的機関で試験をしています。
(一部の試験データは、ゴム糸メーカーさん、原糸メーカーさんにて試験をすることもあります)
尚、伸び(ストレッチ性)のある商品は、(伸びのない生地とは違って)特に、幅や伸度、パワー等については、機台・糸・弾性糸・熱仕上時の温度、湿度や張力・季節等の諸条件により多少のバラツキが発生することもありますので、基本的に、ある程度の許容範囲を設定しています。
1例として、
幅: 25ミリ ± 1.0ミリ
伸度: 2.5倍 ± 0.1倍 という風に記載します。
ゴム紐の事で困り事等がある場合は、何でも気軽に質問・ご相談ください。
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担当:越野 勤(ゴム紐の専門家・ゴム紐の先生・ゴムプロ:gomupro)
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この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。
越野勤(こしのつとむ)は、石川県かほく市にある1935年創業で88年の歴史のゴム紐製造販売の有限会社津田産業直販部(かほく支店)の営業部長・問合せ担当で、サイト運営者・著者・ゴム紐の権威、専門家・ゴムプロ:gomuproです。
年齢は66才です。(2024年現在)
1980年に信州大学繊維学部繊維工学科卒業で、大学時代の4年間は、糸や繊維、ゴム紐、織物・編物・製紐・染色・プリントの勉強をしました。広幅織物製造工場で、撚糸、整経、製織等。細幅織ゴム、編ゴム製造工場でカバーリング、生産、染色、品質管理、生産管理、在庫管理の作業等。製紐工場で製紐を学び、営業、インターネット販売をするなど、約55年間ずっと、繊維業界で企画・製造・販売・マーケティング(販促)の仕事を経験してきました。
現在、㈲津田産業直販部でゴム紐の企画、製造販売、マーケティングを担当しています。(約5年間)
糸や繊維、織物、ゴム紐のことについて、困り事があれば、何でも気軽に質問・ご相談ください。
丁寧に分かりやすく説明いたします。
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