横巻ゴム(DCY・SCY)とは何ですか?
横巻ゴム(DCY、SCY)はカバーリング機を使って、設定伸度まで伸ばした天然ゴム糸やポリウレタン糸などの弾性糸に、ポリエステルやナイロン等の糸を巻いた丸断面のゴム紐です。
(注)もちろん、芯になるのは、ゴム糸のような弾性糸だけではなく、伸びない「糸そのもの」を芯にする場合もあります。
巻糸は、弾性糸に対して連続的に螺旋状(スパイラル)に巻かれていきます。
中の芯糸に天然ゴム糸やポリウレタン弾性糸などを使用すると横巻ゴムになり、芯糸に糸(伸びないもの)を使用した場合、横巻糸となります。
FTYとDCY、SCYの関係は?
長繊維の糸(フィラメント糸)を使用するので、DCY、SCYのことを合わせて、FTY(filament twisted yarn:フィラメントツイステッドヤーン)と言います。
FTYの集合の中に、DCYとSCYが含まれる~といった感じです。
短繊維の糸(スパン糸)である紡績糸を芯糸やゴム糸に巻く場合は、CSY(core spun yarn:コアスパンヤーン)と言います。
DCYとは何ですか?
DCYとは、ダブルカバードヤーン(double covered yarn)の頭文字3つからなる略語です。
DCYはその名の如く、糸を芯にして、その周りを長繊維の糸が二重(ダブル)に巻かれていて、まず最初は糸を右撚りに巻き、その上に糸を逆方向の左撚りで巻きます。
その上糸と下糸の撚り数の調整によってトルク(ビリ)がほとんど発生しないようにしてあります。
SCYとは何ですか?
SCYとは、シングルカバードヤーン(single covered yarn)の頭文字3つからなる略語です。
SCYは、糸を芯にして、その周りを長繊維の糸が一重に巻かれていて、刺繍糸や、パンティストッキング用の材料として使用されることが多いです。
一方向にのみ巻かれているので、一方向にトルクがあり、巻き付き(ビリ)が入りやすく、弱撚(撚り数が少ない)の場合が多いです。
横巻ゴム(DCY、SCY)の特徴
横巻ゴム(DCY、SCY)の特徴は、かなりの高速で(一度に)大量に生産できるため、丸ゴムとしては、コストが安いというメリットがあります。
デメリットとしては、切り口から巻糸が解れやすいという短所があります。
横巻ゴム(DCY、SCY)の用途
横巻ゴム(DCY、SCY)の用途は、通常は、織ゴムや編ゴム、靴下、サポーターの弾性糸として使用されます。(織ゴムや編ゴムの材料として)
極細のSCYの場合は、パンティストッキングの材料として靴下用の丸編み機で編まれます。
また、DCYの場合、半導体や食品製造関連のクリーンルーム内で使用する不織布製のヘッドキャップの端に使用されます。
もう一つの用途は、エクステンションに使用したり、ラッピングに使用したり、印刷タグ等の丸ゴム、ゴム紐結束機用としての用途です。
上の画像は、横巻ゴム(DCY)の分解写真です。
弾性糸に、下糸(左側)が巻かれ、その上にさらに上糸(右側)が巻かれているのが分かります。
横巻ゴム(DCY・SCY)とゴム紐の関係
上の画像はゴム紐(ゴムひも)分類表です。
この中の、⑤の水色の部分が横巻ゴム(DCY、SCY)です
ゴム紐(ゴムひも)が一番の大集合です。
その中に丸ゴムが含まれます。
また、その中に横巻ゴム(DCY、SCY)が含まれます。
まとめて説明すると
ゴム紐(ゴムひも) ⊇ 丸ゴム ⊇ 横巻ゴム(DCY、SCY) となります。
丸ゴムと横巻ゴム(DCY、SCY)の関係を集合図で分かりやすく説明すると上の画像のようになります
横巻ゴム(DCY、SCY)製造機械(カバーリング機)です
上の画像は、カバーリング機(ダブルカバーリング機=DCY製作用)です。
カバーリング加工を終了して取り外した状態の写真です。
停止しているときの写真ですが、白い糸を巻いたボビンが上糸用(赤色のボビン)、下糸用(濃い緑色のボビン)の2段になっています。
(この画像の場合は、芯ゴムは、天然ゴム糸で、カバード糸は、上糸も下糸もポリエステル糸の生成色です。)
天然ゴム糸や、ポリウレタン弾性糸に、下糸を右撚りで巻き、その上に、さらに上糸を左撚りで巻きます。
用途としては、織ゴムや編ゴムの材料としてのDCYやマスクゴムやエクステンション用の丸ゴム、またラッピング用の金銀横巻ゴムなどに使用されます。
横巻ゴムにもいろいろな種類があります。
横巻ゴム(DCY・SCY)の種類
ヘアーエクステンション用丸ゴム(ヘアーエクステ用)
ヘアーエクステンション用丸ゴムはポリウレタン弾性糸を芯にして、先染めのポリエステル糸をダブルカバーリングした横巻ゴム(DCY)です。
最近は、その他の用途として、印刷した紙のタグに通して、ラッピング用(包装資材用)に使われる場合が増えてきています。
しましまゴム(2色カラー丸ゴム:DCYタイプ)
しましまゴム(カラー丸ゴム:カバーリングタイプ)は先染めのポリエステル糸とポリウレタン弾性糸を使用した2色をらせん状に配色した、風合いが柔らかくて、とてもカラフルな丸ゴムです。
どちらかというと、包装用(ラッピング用)に用いられることが多いです。(包装資材などの産業資材用)
荷札タグ用カラー丸ゴム DCYタイプ
荷札タグ用カラー丸ゴムは極太のポリウレタン弾性糸を芯にして、先染めのポリエステルのウーリー糸を二重に巻いたカラーゴム紐です。
製紐タイプの丸ゴムに比べるとコスト的に安いです。
カラー展開は12色です。
金銀ラメ丸ゴム(極細) DCYタイプ
金銀ラメ丸ゴム(極細) DCYタイプは天然ゴム糸にレーヨン糸を巻き、その上に、極細にスリットした金色または銀色のラメフィルムの糸を螺旋状に巻いた丸ゴムです。
製紐タイプのラメ丸ゴムに比べるとコスト的に安いです。
特長としては、フィルムを螺旋状に巻く(一重)ので、フィルム同士には少し隙間があるので、手触りは少しざらざらです。
ゴム紐結束機用丸ゴム DCYタイプ
ゴム紐結束機用丸ゴムはゴム紐結束機専用に作られた丸ゴムです。
カバーリング機を使用して、太い天然ゴム糸にポリエステル糸を巻いています。
用途に合わせて、いろいろな太さやカラーがあります。
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年齢は66才です。(2024年現在)
1980年に信州大学繊維学部繊維工学科卒業で、大学時代の4年間は、糸や繊維、ゴム紐、織物・編物・製紐・染色・プリントの勉強をしました。広幅織物製造工場で、撚糸、整経、製織等。細幅織ゴム、編ゴム製造工場でカバーリング、生産、染色、品質管理、生産管理、在庫管理の作業等。製紐工場で製紐を学び、営業、インターネット販売をするなど、約55年間ずっと、繊維業界で企画・製造・販売・マーケティング(販促)の仕事を経験してきました。
現在、㈲津田産業直販部でゴム紐の企画、製造販売、マーケティングを担当しています。(約5年間)
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