平ゴムの耐久性を良くする方法とは?
平ゴムの耐久性(織ゴムやコールゴム等)を良くするには、
① 太い弾性糸(ゴム糸)を使用する。
② 弾性糸の入り率(いりりつ)を大きくする。(ゴム糸を引っ張り過ぎて平ゴムを生産しない。)
という2つの方法があります。
弾性糸の入り率(いりりつ)とは?
弾性糸の入り率とは、一定長の平ゴムの中に、弾性糸やDCYが、どれくらいの割合で入っているか?をパーセント表示したものです。
一般的に、入り率が大きい平ゴムの方が、耐久性の良い平ゴムとなります。
その理由は、入り率が大きい平ゴムの中に入っている弾性糸(ゴム糸)の方が強く引っ張られていないからです。
(仮の話ですが)入り率が50%の平ゴムの中の弾性糸は、引っ張られていないフリーの状態であっても、常に2倍に引っ張られているのです。
※1例としては、平ゴムを10センチ切り取り、分解して、先ず、DCYの長さを測ります。(1例として8センチだったとします。)
次に、DCYを分解して弾性糸(ゴム糸)の長さを測ります。(1例として6センチだったとします。)
DCYの入り率は、 8 ÷ 10 x 100 = 80%
弾性糸の入り率は、 6 ÷ 10 x 100 = 60% となります。
一般的に、(同じ太さのゴム糸の場合)入り率の大きい平ゴムの方が耐久性が良いです。
弾性糸の入り率(いりりつ)の測定の方法
弾性糸の入り率の良い平ゴムは耐久性が良い。と言われています。
また、一般的には、伸びの大きい平ゴム(織ゴムやコールゴム等)の方が耐久性が良いとも言われています。
そこで、ここでは、まず、伸びを測定した後に、入り率を測定する方法を画像付きで紹介いたします。
(ここでは、生成色の織ゴム(素材:ポリエステル/ポリウレタン)を使用して説明をします。)
先ずは、24時間以上放置した織ゴム(一度思い切り引っ張ると戻りきらないので長さが長くなってしまうのです。)に、10cmの印間長で黒ボールペンやマジックインキ等で印を付けます。
(黒色の織ゴムの場合は、白色の修正液等で印を付けます。)
次に、印間長の部分で直角に切り取ります。
平ゴムの分解方法(織ゴムの場合)
そして、その切り取った織ゴムの両端部分の緯糸を指で引っ張り出します。
そうすると、片側は引っ掛かって引っ張り出せませんが、反対側の緯糸は連続して引っ張り出すことができます。
(画像の場合は左側が引っ張り出せます。ほとんどの織ゴムはこの作業で分解が可能です。もし、ロック糸を使用して緯糸が引っ張り出せない場合は、コールゴムの分解作業のように縦に切り込みを入れて作業します。)
緯糸を連続作業で引っ張り出します。(半分くらい引っ張り出しました。)
上の画像は、織ゴムの緯糸を引っ張り出し終えたところです。(左側は緯糸、右側は、経糸とDCYです。)
織ゴムを緯糸(左側)、経糸(中央部)とDCY(右側)の3つに分けたところです。
分解したサンプルの織ゴムは、ハカタ織のストレッチインベルなので、DCYとDCYの間には、3本の経糸が配置されています。
経糸は設定伸度にて引っ張った状態で織り上げられ、巻取りロールから出てきてフリーになった状態で、約1/2.4くらい縮むので折り畳まれるため、ジグザグに折り畳まれます。
(だから、経糸を思い切り引っ張ると、約24センチになります。)
DCY(ダブルカバードヤーン)の弾性糸入り率を測定・計算します
そして、DCYの長さを測定します。
DCYの入り率を計算します
上の画像の場合は、99ミリありますので、
99ミリ ÷ 100ミリ x 100 = 99 となり、
99%の入り率となります。
今度は、DCYを分解します。
片端を指で引っ張り出すとカバード糸が取り出せます。
DCY(ダブルカバードヤーン)という名の通り、カバード糸は2重(逆方向)に巻かれています。
上カバード糸を取り出した後は、下カバード糸を取り出します。
最後に、ポリウレタン弾性糸の長さを測定します。
(弾性糸の入り率を測定します。弾性糸もDCYの中で設定伸度を設定して引っ張られています。)
ポリウレタン弾性糸の入り率を計算します
ポリウレタン弾性糸の長さが94ミリなので、
94ミリ ÷ 100ミリ x 100 = 94 となり、
94パーセントの入り率となります。
P.S. ポリウレタン弾性糸を思い切り引っ張ると切断面は上のようになります。
天然ゴム糸は1本なので、繊維ではありませんが、ポリウレタン弾性糸は、通常127本の繊維からできています。
そのため上の画像のように、ささくれのような形になります。
以上のようにして、平ゴム(織ゴム)は分解され
DCYの入り率は、約99% (数本調べて平均値を取ります。)
ポリウレタン弾性糸の入り率は、約94%となります。(数本調べて平均値を取ります。)
一般的には、ポリウレタン弾性糸を使用した場合の入り率は、天然ゴム糸を使用した場合の入り率より大きいです。
注)ストレッチインサイドベルトとは?
インベル(インサイドベルト:Inside belt)は、スカートやパンツのウエスト部分の筒状の生地の中に入れて、細幅の芯として使います。
インベルは、「インサイドベルト」の略語です。
インベルには、接着芯地をスリットして細幅にしたものが多いです。
また特に、経(たて)に、天然ゴム糸やポリウレタン糸等の弾性糸が入り、伸びるストレッチ素材の場合、ストレッチインサイドベルト、ストレッチインベルと言います。
ゴム紐の事で困り事等がある場合は、何でも気軽に質問・ご相談ください。
〒929-1171
石川県かほく市木津ハ64番地4
有限会社津田産業 直販部 (屋号 TSUDATEX)
TEL:050-3578-8098
FAX:076-285-0141
お急ぎの場合や、とにかく質問したい、聞いてみたいという場合は、こちらの携帯電話へお電話ください。
心よりお待ちしています。
HP:090-1637-9983
担当:越野 勤(ゴム紐の専門家・ゴム紐の先生・ゴムプロ:gomupro)
お問合せフォームはこちらです。
津田産業は石川県かほく市の高品質・高耐久性のゴム紐をメーカー直販にてお届けします
㈲津田産業の創業88年の歴史と経験がお客様への信頼・信用の証拠です
津田産業は安心・安全なゴムひもの専門店を目指します
お問合せはこちらから
この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。
越野勤(こしのつとむ)は、石川県かほく市にある1935年創業で88年の歴史のゴム紐製造販売の有限会社津田産業直販部(かほく支店)の営業部長・問合せ担当で、サイト運営者・著者・ゴム紐の権威、専門家・ゴムプロ:gomuproです。
年齢は66才です。(2024年現在)
1980年に信州大学繊維学部繊維工学科卒業で、大学時代の4年間は、糸や繊維、ゴム紐、織物・編物・製紐・染色・プリントの勉強をしました。広幅織物製造工場で、撚糸、整経、製織等。細幅織ゴム、編ゴム製造工場でカバーリング、生産、染色、品質管理、生産管理、在庫管理の作業等。製紐工場で製紐を学び、営業、インターネット販売をするなど、約55年間ずっと、繊維業界で企画・製造・販売・マーケティング(販促)の仕事を経験してきました。
現在、㈲津田産業直販部でゴム紐の企画、製造販売、マーケティングを担当しています。(約5年間)
糸や繊維、織物、ゴム紐のことについて、困り事があれば、何でも気軽に質問・ご相談ください。
丁寧に分かりやすく説明いたします。
越野勤(著者・サイト運営者)の紹介ページ
お問合せの電話、メールは、こちらです。⇓
TEL:090-1637-9983
MAIL:tsuda@tsudasangyou.com
越野勤は、賃貸アパートを経営しています。
マリンビューと言います。