繊維や糸についてゴム紐・糸・繊維の専門家が説明します。

「繊維と糸って、具体的に何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、創業90年以上のゴム紐製造メーカーの専門家が、繊維と糸の定義や違い、分かりやすい分類まで丁寧に解説します!

繊維とは?

繊維とは、鎖状高分子(さじょうこうぶんし)からなる細くて長いもので、分子の並びには、配向性(はいこうせい:ほぼ平行で同じ向きを向いています)があります。

繊維は、結晶質と非晶質(アモルファス)からなるので、引っ張ると経方向に少し伸びる性質(弾性)があり、また、風合いは柔らかくて、引張りに対して一定の強度があります。

鎖状高分子の配向の模式図

上の画像は、繊維の中の鎖状高分子(結晶質)の配向の模式図です。(「するめ」や「さきいか」のようなイメージです。by越野勤)

組成から考察して具体的に言うと、繊維とは、動物の毛・皮革や植物等が自然に伸びる、または人工的に伸ばされることによって得られる、細くしなやかで凝集性のある紐状の素材のことです。(天然繊維)

また、現在では、(高速延伸などして配向させる)化学技術によって人工的に作られたものも数多くあります。

人工的に作り出した糸状の構造およびその繊維素材を化学繊維といいます。

繊維の読み方は?

繊維の読み方は、「せんい」です。

繊維の英語表記は?

繊維の英語表記は、fiber (ファイバー)です。

textile(テキスタイル)、fibre (ファイバ)という場合もあります。

繊維の分類表(代表的な素材)

天然繊維 植物繊維 綿(コットン)
麻
動物繊維 毛(羊毛、獣毛)
羽毛(ダウン、フェザー)
絹(シルク)
鉱物繊維 石綿
化学繊維 再生繊維 レーヨン
キュプラ
リヨセル
半合成繊維 アセテート
合成繊維 ポリエステル
ナイロン
アクリル、アクリル系
ポリウレタン
ポリプロピレン
ビニロン
アラミド
金属繊維 ガラス繊維
炭素繊維
金属繊維

上の分類表は、繊研新聞社のサイトより引用・参照しました。

糸とは?

糸とは、動植物を材料とした天然繊維や化学繊維を、複数本を平行に引き揃えて、合わせて細長くし、多くの場合、撚り(または紡績)を掛けて1つにしたものです。

糸の英語表記は?

糸の英語表記は、thread (スレッド)、または、yarn (ヤーン)、string(ストリング)です。

日本語での「糸」という言葉に最も近いのは、この thread という単語です。

yarn は、針の穴を通らないような毛糸などの太い糸を指します。

string は、撚って作られた糸を指します。また、紐(ひも)という意味もあります。

繊維と糸の違いは?

繊維とは、細くて長いものの総称で、その繊維を1本(モノフィラメントの場合)、または複数本を束にすることで、糸になります。

そのため、繊維と糸の太さの関係を数式で表すと、

繊維 ≦ 糸

となります。(一般的に糸のほうが太いです。)

つまり、1本の細い繊維(原材料)が集まることで、私たちがよく目にする『糸』になります。そのため、必ず『糸』の方が太くなります

(参考)鎖状高分子とは?

鎖状高分子とは、分子(単量体)が鎖状(くさりじょう)に長く結合した高分子(高重合体)のことです。

分子内に架橋構造を持たず、鎖状高分子には、天然のセルロース、デンプン、繊維状タンパク質や、化学繊維の、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン等)、ポリアクリロニトリル(アクリル繊維)などがあります。

化学繊維の場合、紡糸直後に高速延伸することによって、結晶質の割合が増加し、配向性が高くなり、長い鎖状高分子となり、繊維の強度が増します。

鎖状高分子の読み方は?

鎖状高分子の読み方は、「さじょうこうぶんし」です。

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    この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。